院内における感染予防のポイント

病棟や診療所で働く看護師にとって、院内における感染予防は重要な課題の一つとして位置づけられています。
特に高齢の患者が多く入院する病棟では、院内感染が蔓延した場合に、患者の生命に危険が及ぶこともあります。
そのため、感染症のリスクを最小限に抑えるうえで、様々なケースを想定しながら、日ごろから看護師が中心となって、ナースステーション内や病室内を清潔な状態に保つよう心がけなければなりません。

また、新人からベテランまで、感染予防について正しく理解をするために、一年に数回程度専門家による研修を受けるのも有効です。
患者数が多い公立病院や総合病院などでは、看護師を含めたすべての医療スタッフを対象に、感染予防の研修プログラムが導入されることもあり、そこで学んだことを実践すれば、院内感染のリスクはかなり減らせるでしょう。

それから、細菌やウイルスの感染が広まりやすくなる冬場は、院内の消毒をするだけでなく、一人ひとりの看護師がマスクの着用やこまめに手指の消毒をしたり、出勤時の体温計測を欠かさずに行ったりすることも肝心です。
感染予防の考え方については、職場全体で共有をする必要があるため、ミーティングのテーマに取り上げたり、看護師長や中堅看護師がスタッフに感染予防の呼びかけをしたりすることも大事です。

ただし、看護師が国内で流行している新しいタイプの感染症について学び、予防策を実施しようとすると、職場内で研修を受けるだけでは不十分なこともあります。
そこで、時には医療従事者を対象とした院外の勉強会などに参加をして、情報収集をすることも大切になるでしょう。